ヨコ様の本誌連動対談企画第3弾は、現在、ミュージカル『マルグリット』で共演中の寺脇康文さんです!
横内 寺脇さんの『王様のブランチ』を僕はずいぶん拝見していたんですよ。司会は何年ぐらいやっていたの?
寺脇 10年8ヵ月ですね。でも、最初オファーがきたときは「ほかの方と間違えてない?」と言ったぐらい(笑)。正直、(オファーを)受けるかどうか悩んだんですよ。それで「どうして僕を司会に起用するのか?」と聞いてみたところ、TBSのプロデューサーがたまたま僕と岸谷吾朗がレギュラーをやっていたラジオ番組を聞いて、「役者だけど面白い、絶対にできる」と思ってくださったらしいです。
当時の僕は34歳、司会という仕事に関心を持ったこともなければ、「役者の仕事の邪魔になる」くらいに思っていた。というのも、昼の情報番組で楽しく明るいお兄さんをやっている寺脇康文を見ている方が、ドラマで悪役を演じる僕を見たらどう思うんだろう……。「あの人、悪い人を演じているけど、実際は陽気なお兄さんなんだぁ」と思われてしまうことは、俳優としはマイナスにならないか……。最初は「しばらく考えさせてほしい」とお願いしました。
そんな僕の消極的な態度に対して、局の方が「まず、寺脇さんありきで考えている番組だから」と言ってくださいましてね。それほどまで僕に期待し、認めてくださっている。その事実と、TBSが4時間半の生放送の情報番組をやるのは初の試みだったということ。そういったことをよくよく考えた上で、「すいません。偉そうに言うわけではないのですが、司会をやらせていただくのに条件があるんです」と申し出たのです。
横内 ほぉ~、それはどんな条件だったの?
寺脇 まず一つは、ワイドショー的な芸能ネタは扱わないということです。それから、人が嫌がるようなことで笑いを取るのは止めてほしい。「この二つの条件が通るのであれば、やってみようと思います」という話しをさせていただきました。
横内 テレビという仕事に携わっている人間としては、そういうネタに一番視聴者が食いついてくるとは思わなかったの?
寺脇 そうは思いませんでした。新作映画の宣伝のために出演してくださったゲストには作品のことだけ聞きたい。いわゆるスキャンダラズな、プライバシーなことまで質問するのだったら僕はそういう番組の司会はできないと思いましたからね。
横内 実際、番組を始めてみてギャップは出てこなかった?
寺脇 多少はありましたけど、ギリギリのラインを扱うことになりそうなときは「今回のこのネタは止めましょう」という話し合いをして、僕の考えを採用してもらいました。
やっぱり、家族でテレビを見ているとき、誰かが気を遣ってチャンネルをかえるような番組にしたくない。逆に、毒がない番組になってしまい、うまくいかないかもしれないとも思いましたよ。
撮影/桑原 靖
